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2008年2月23日 (土)

HD DVDが勝った可能性

本田雅一のAVTrends」の記事を読むと、東芝がもっとうまく立ち回ったら、HD DVDは勝てた可能性もあったのかもしれない。

HD DVDがBlu-rayより有利な点として、メディアの生産ラインは既存のDVDのものを流用できることを東芝は強調していた。そして、ハリウッドの各映画会社の支持を取り付け、Blu-rayのビジネスが立ち上がる前に電撃戦を仕掛け、地盤を固めれば勝てたのかもしれない。

ただ、

日本の消費者から見ると「1層15GBでは録画時間が足りない」と思うかもしれないが、その頃の東芝のインタビューを読み返せば分かるとおり、東芝は放送録画に関して全くといっていいほど重視していなかった。技術が進歩すれば、そのうちハイビジョン放送をH.264で再エンコードできるようになるのは明白だったから、将来的にはそれで対処すればいい。それよりも、映画会社がきちんとオーサリングした高画質ディスクが安価かつ大量に供給される世界を作った方がいいと考えたわけだ。

 このコンセプトは、その後のフォーマット戦争の中で、如実に数字となって表れている。HD DVDプレーヤーの累積販売台数は今年1月に抜かれるまで、BDプレーヤの累積販売台数を上回っていた。これに対してレコーダ中心の日本市場では、97%をBDが占めるという状況である。必ずしもフォーマットの企画コンセプトだけが影響しているわけではないが、HD DVDはやはり、HDビデオパッケージを見ることを最重視して開発された規格だったのだ。


ということなので、日本での勝利は困難だろう。そうなると、海外でのHD DVDを元にBlu-rayを押さえるしかないだろう。それでも、Blu-rayの容量には勝てない。そうなると、HD DVDを再生できるBlu-rayレコーダーばかり売れるようになりそうだ。

まあ、これは架空戦記みたいなもので、いくらここで書いてもHD DVDの敗北という事実は変わらないのだが。

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