週刊新潮7月20日号「モーツァルト7つのウソ」
電車の中吊り広告でそんな記事が載っているのを見て、買って読んでみた。
「5歳で名曲を書いた」
今までモーツァルトが5歳の時作曲したと言われていたK.1が、実は8歳の時作曲されたものだとわかったが、その他に、5歳で書いた曲が4曲見つかった。しかし、その曲の水準が高いと言うことはない、ということだそうだ。
つまりは、モーツァルトは5歳で作曲したが、それは名曲といえるものではないということなのだが、私はモーツァルトが5歳の時に作曲した曲が名曲だという話を聞いたことがない。記者がでっち上げた話を否定しただけじゃないのか?
「サリエーリが嫉妬した」
宮廷楽長サリエリが、モーツァルトの才能に嫉妬して殺したというストーリーの映画「アマデウス」を持ち出しながら、サリエリの方が地位が高いのだから、嫉妬するわけがないということだそうである。
「アマデウス」では才能に嫉妬したということになってるのに、地位を持ち出すというのも無茶苦茶な話。
まあ、サリエリがモーツァルトを殺したというのも、後世の戯曲によるものなんだが…
「マリー・アントワネットにプロポーズ」
「歴史的事実として扱うには疑問符が付きますね」と書いちゃってるので、ウソと言ってしまうのは言い過ぎかと思う。
「ベートーベンに説教した」
この話は初耳だったので、この記事を読んでみようと思ったのだが、記事では手塚治虫の未完作品「ルードビッヒ・B」の一場面を取り上げ、それに対し、モーツァルトはベートーベンに興味を持たなかったし、二人が会ってない可能性もあると書いている。
単に、手塚治虫の脚色を、それが一般に言われてるものと勘違いし、それを否定しただけのように思える。
ちなみに、私が聞いたことがあるエピソードは、モーツァルトがベートーベンに「君はそのうち有名になるだろう」と言った、というものだった。
「スカトロ趣味があった」
手紙や何やらでウンコネタがよく出てくるが、それは当時の南ドイツやオーストリアでは当たり前だったということだそうだ。
これは、そんなものなのかもしれない。
「夫人は大の悪妻だった」
モーツァルトが妻コンスタンツェと離ればなれの時には熱い手紙を送っていたし、モーツァルトの追悼公演をして借金を返済した賢妻だということなのだが、単にモーツァルトが惚れ抜いただけとも考えられるし、反論にはなってないと思う。
なお、コンスタンツェがモーツァルトを毒殺したという説があることは無視されている。
「聴くと病気にならない」
これは言い出した方がヨタなのだが…
全体としては、生誕250年ということでモーツァルトが騒がれてるので、ちょっと毛色の変わった記事をやっつけ仕事で書きました、というように思える。
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